毎日のコミュニケーションでよりよい関係を

在宅で介護をする場合、介護が続くと心身ともに疲れるというのは珍しくありません。それは介護される方も同じで気を使っています。元気な頃は一人ひとり独立していたのに、介護される側になると周囲に頼らなくてはならないのです。妻から夫へ、夫から妻へ、または親子での無償の奉仕です。しかし、無償の奉仕にも限界があります。現実は厳しく悲しいニュースをよく聞きます。ニュースにならないことも相当数あります。日本の高齢者社会はこの時期に必ず到来するとわかっていながら、現実には後手後手の政策と言わざるを得ない状況です。突然家族を介護することになった人は、介護に関して教育を受けたことはなく、わからないまま始まることがほとんど。このように、知識や技術、心の準備がないまま介護を行わなければならないのも介護疲れの原因の一つといわれています。その他、介護の問題には、老老介護、認認介護、虐待、一人暮らし、成年後見人トラブルなど、解決しなくてはならないことが山積しているのです。

誰が、誰を介護しようとも、どのような素晴らしい政策がなされたとしても、介護は人間対人間なのです。そこに愛情やコミュニケーションがなければ介護にはなりません。介護する時は語りかけながらお世話をすると、介護される方も気が楽になります。たとえ家族でも、黙ったままお世話をすると受ける方は緊張するのです。コミュニケーションがあればお互いが理解でき、認めることができるでしょう。